藤織りの工程

上世屋に残る藤布は日本古来の織物で、藤つるの皮から繊維を取り出し糸にして織った布です

フジキリ(藤伐り)

■藤蔓はワタフジ(ノダフジ)とシナフジ(ヤマフジ)の2種類があります。

■フジキリに最適な時期は、4月から5月頃ですが、9月頃まで伐ることができます。

フジヘギ(藤剥ぎ)

■伐りとった藤蔓を乾かないうちにツチ(木槌)でたたき、皮から芯をはぎとります。

■皮からオニガワ(鬼皮・表皮)を取り去った、アラソ(中皮)を藤織りの繊維材料として使います。

アクダキ

(灰汁炊き) ■アクダキとは、アラソを木灰のアクで炊いて、アラソに含まれる不純物を溶かすことです。

フジコキ(藤扱き)

■炊きあがったアラソを川の流れのなかで、灰の汚れや不純物をコウバシを使って洗い流します。

ノシイレ(のし入れ)

■藤扱きを終えたアラソは、平鍋にコメヌカ(米糠)を溶かした湯に浸し、絞って干します。

フジウミ(藤績み)

■指で撚り合わせながら繊維の端をつないでいき、糸にします。

ヨリカケ(撚り掛け)

■フジウミされた糸は、繊維の端同士を撚り合わせたもので、全体にはまだ撚りが掛かっていません。イトグルマ(糸車)で全体に撚りを掛けて糸を強くします。

ワクドリ(枠取り)

■ヨリカケした糸は、イトワク(糸枠)に巻き取っていきます。

ヘバタ(整経)

■指で撚り合わせながら繊維の端をつないでいき、糸にします。

タニオワセル(機上げ)

■経糸を織機にとりつけます。

ハタオリ(機織り)

■織って布にします。

<イラスト 中川未子>