ふじおり保存会のあゆみイメージ写真

丹後藤織り保存会のこれまでのあゆみ

上世屋に残る藤布は日本古来の織物で、藤つるの皮から繊維を取り出し糸にして織った布です

丹後藤織り保存会のこれまでのあゆみ

   1962~1990 藤布の「発見」から保存会発足まで         

1962年(昭和37年) 京都府教育委員会の民俗資料調査により藤布が「発見」される
丹後半島の袖志で海女が用いる”スマ袋”が藤布でつくられていること、藤布が上世屋でつくられていることが判明
1980年(昭和55年) 丹後郷土資料館が宮津市世屋地区で聞き取り調査を開始
1981年(昭和56年) 丹後郷土資料館にて特別展「藤織りの世界」開催
1983年(昭和58年) 文化庁の「記録作成の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択される
1985年(昭和60年) 藤織り技術の伝承者であった光野ためさん、小川ツヤさんを講師に迎え、上世屋で第1回藤織り講習会が始まる以降、講習会は現在まで回を重ねて継続中
1989年(平成元年) 「丹後藤織り保存会」会員58名で発足

1991~2010 保存会発足から藤織り伝承交流館開館まで    

 
1991年(平成 3年) ・「丹後の藤織り」が京都府無形民俗文化財に指定される
・「丹後藤織り保存会」が保護団体に認定される
・光野ためさん、小川ツヤさん、「京都府あけぼの賞」受賞         

〔展示〕第1回「丹後の藤布展」(宮津市, 京都市)                            
1995年(平成 7年)

〔展示〕第2回「丹後の藤布展」(宮津市, 兵庫)

1997年(平成 9年)

小川ツヤさん亡くなる(享年93歳)

2000年(平成12年)

〔展示〕巡回展「藤布の仲間たち」(鳥取, 京丹後市)

2005年(平成17年)

〔展示〕20周年記念作品展「伝承と可能性」(東京, 大阪, 宮津市)

2007年(平成19年)

藤織り講習会の記録DVD(技術伝承編・講習会編)完成(文化庁委嘱ふるさと文化再興事業)

光野ためさん亡くなる(享年93歳)

2010年(平成22年) 旧日置中学校世屋上分校が「藤織り伝承交流館」として開館

2013~2019 現在までのあゆみ

2013年(平成25年)

第35回サントリー地域文化賞受賞
《こちらをクリックしていただくとサントリー地域文化賞受賞のページが開きます。活動の動画をご覧にいただけます。》

2014年(平成26年) 〔展示〕30周年記念作品展「伝える力 支える力」(京都市, 宮津市)
2019年(令和元年)

〔展示〕35周年記念作品展「合同記念展 京都の北と南の織物  丹後の藤布と相楽木綿」(京都市)

現在

講習会修了者499名、うち2019年現在、保存会員136名

初代会長 尾関隆夫

初代会長 尾関隆夫写真

尾関隆夫(オゼキタカオ)
1989(平成元) 年~2000(平成12)年=4期12年

京都職訓練短期大学校(ポリテックカレッジ京都)の染織技術科の教官として務める傍ら、保存会創設の初期メンバーとしてかかわる。

織物の専門性を活かした指導とともに、保存会の組織づくりに尽力し、丹後藤織り保存会の礎を築く。

二代目会長 楠八千代

二代目会長 楠八千代写真

楠八千代(クスノキヤチヨ)
2001(平成13) 年~2009(平成21)年=3期9年

地元上世屋の藤織り伝承者・光野ためさん・小川ツヤさんらから学んだことを、映像記録「丹後の藤織り・伝承技術編」として残そうと、当時、副会長の大江由紀子さんとともに協力。
各工程の所作とやわらかい語り口が印象に残る。

三代目会長 井之本泰

>三代目会長 井之本泰写真

井之本泰(イノモトトオル)
2010(平成14) 年~2018(平成20)年=3期9年

京都府立丹後郷土資料館・民俗担当の学芸員として上世屋に藤織りの調査に入り、それをきっかけとし上世屋に移り住む。現在では、上世屋のお父さんのような存在となり、皆に親しまれている。今日まで上世屋で藤織り保存会を繋げた大きな柱となる人物。

四代目会長 坂根博子

四代目会長 坂根博子写真

現会長・坂根博子(サカネヒロコ) 2019(平成31) 年~
日本三景のひとつ天橋立の内湾・阿蘇湾に面する溝尻の舟屋に工房「凪(なぎ)」を開設。

上世屋の藤織り伝承者のおばあさんに直接教わることができなかった世代。その分、上世屋への思い入れはひと一倍強く、藤織りを通してのモノづくりに意欲的な新世代派。